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がん患者支援の推進に対する医療者への医学教育助成プログラム
(一般社団法人日本癌治療学会とファイザー株式会社)

私たちの
ストーリー

 がん患者は、診断時に人生を根底から覆すような辛い体験をしつつ、一方で治療に関する意思決定を強いられます。合理的な意思決定には、患者に冷静な判断力が必要であり、患者にも医療者にもバイアスがない状態で初めて成立しますが、がん患者においてはその3条件が成立することは難しいのが現状です。
以下のような場面はがん診療に従事する医療者であれば、誰でも一度は経験があるはずです。
1.よく理解できなくても、わかりましたと返事する患者
2.インターネットで宣伝されていた『免疫療法』を受けますと言う患者
3.よく分からないので、先生にお任せしますと言う患者
このような患者はいわゆる『患者力』が低いとされ、医療者はこれまでこうした患者に対して必ずしも積極的に関わることが多くはありませんでした。

■プロジェクト目的~何故、医療者を教育する必要があるのか~
患者はがんにまつわる様々なつらい体験をし、肉体的・精神的に過酷な状況にあります。つまり、患者は自分一人ではその患者力を高めていくことは困難な状況にあるため、医療者がそれをサポートする必要があります。
がんを含め全ての医療は不確実であり、患者と医療者間で合意しながら医療を進めていく必要があり、そのためには患者力が十分発揮できる必要があるのです。

そして、患者力を発揮するために、がん患者に求められる必要なスキルとして、私たちはMACスキルを提唱しております。

M:Medical literacy(情報を収集・理解・吟味・適用)
A:Assertiveness(想いを伝える力)
C:Communication(言葉のキャッチボールができる力、会話と対話の力)

その上で、PEPでは以下の目的・目標を掲げております。
目標:医療者がMACスキルの重要性を認識し、患者のMACスキルを啓発し引き出せるようになること
目的: 患者力を、Evidence-based medicine(EBM)、チーム医療に続く、がん診療における第3の柱として位置づけ、社会に広めること

これを受けて、2023年1月から2025年12月までの本プロジェクト3年間における目標は、以下の通りです。
1.患者力啓発・向上のための医療者向けワークショップの有効性を共感尺度による客観的評価で確認する
2.それが医師の行動変容や患者アウトカムに寄与するかどうかの仮説検証するための準備を行う
3.ワークショップ参加者にファシリテーターとなってもらい、各地でワークショップを開催してもらうための共通コンテンツを開発する
4.患者力啓発活動を、関係する他団体との交流や協働を通じて、より多くの医療者や患者・市民に普及するための基盤を作る

私たちPEPの活動は、申請団体であるオンコロジー教育推進プロジェクトのミッションである、『がん医療の推進に貢献することを目的とし、がん患者さんがチーム医療の真の主役となり、がんであることがハンデとならない社会の実現を目指します』に資するものと考えております。

 

​地域別『医療者が「患者力向上」のためのワークショップ』開催報告

​2023.7.2 竹田綜合病院

​2023.7.9 総合南東北病院

​2023.7.15 勤医協中央病院

​2023.11.12 大阪済生会野江病院

​2024.3.3 松下記念病院